128 うわの空 書籍コピー  時期不明

 「誰にとってもイヤなものはイヤ。誰もがイヤならみんないっせいに休めばいい。ドイツではそれを実現している。とはいうものの、この実行はむずかしい。誰かが抜けがけをすれば、元も子もない。だから法律で競争を抑制している」(上野千鶴子著、「うわの空」 ドイツその日暮らし、P58)
 「ヨーロッパの博物館を訪れると、いつもムカムカするのだが、ベルガモン博物館も例外ではない。トルコ領内にあった古代ベルガモン神殿をそのまま館内に移築したことで、この名がついているのだが、その威容に圧倒されるより、帝国主義とはこのことか、と腹立たしさを覚える。つまり、大泥棒のことじゃないか」(同上、P123)
 「・・・だが歴史は『汚点』で満ち満ちている・・・帝国主義が人類の遺産の保存に貢献した、というのはたんなる詭弁、もしくは結果論にすぎない」(同 P124)
 「(侵略や植民地化が日常的だった)言語小国民にとっては、外国語を話すのは宿命のようなものである。日本人やドイツ人が外国語がヘタなのは、言語大国だという理由からではない・・・。日本人の英語がヘタだと外国人に指摘されるたびに、わたしは胸をはってこう答えることにしている。『日本はアジアのなかで、どこの国の植民地にもならなかった数少ない国のひとつだからよ」(同 P145)
 「アメリカ人は・・・社会のあらゆる階層にむかって『キャリア・アップ』をすすめる。あなたがいまより高い資格をもてば、あなたは必ずむくわれますよ、と。その間にあなたの上にいた人々はさらに上に上がり、あなたがかつて占めていた場所をあなたより後にきた人が占めるという事実を忘れて。したがって総体としての序列関係は変わらない。『万人の幸福』を信じるアメリカの『公正』とはこのようなものだ」(同 P175)

129 日本人の雑種性 メモ 時期不明

 八百万の神に加えて、仏もキリストなども共存させてしまい、諸外国からの知識や習慣などもいつの間にか日本風にアレンジしてしまう能力は、宗教対立だの地域紛争などで混乱を極める世界風潮からみると、何だがとてつもなく素晴らしいことのように見える。

130 日本人の雑種性 新聞切り抜き 時期不明

 「・・・加藤さん(憲法学者加藤周一のこと)は『日本人は雑種性を生かすべきである』と書いた。・・・輝き続けた知の巨星が落ちた。心のよりどころを一つなくし、大きな喪失感を覚え、混乱しています」(井上ひさし、朝日新聞)

131 米大統領 メモ 2008.12.29

 「民主主義を疑う者がいるなら、今夜がその答えだ」。黒人初の米大統領オバマ氏が誕生した時の勝利宣言である。そして今日就任式を迎えた。言葉を自在にあやつる能力を評価された彼だが、共和党立候補者のマケイン氏が選ばれたら民主主義は実現しないとの意味でもある(朝日新聞)。

132 言葉と民族 新聞切り抜き 2008.12.26

 「フランスの地域語 ドイツ語、イタリア語にそれぞれ近いアルザス語やコルシカ語など、・・・海外県・海外領土・・・などを含めると75の地域語があり、本土だけで25を数える」(朝日新聞)

133 お腹が鳴った メモ 時期不明

 お腹がなった。馬鹿らしい。こんなときでもお腹は減るのだ。のん気な胃袋よ(西 加奈子、通天閣P131)

134 46秒 メモ 時期不明

 46秒、紙飛行機の滞空時間である。バカと言えばバカである。大の大人が紙飛行機を飛ばして距離ではなく滞空時間を競うのである。そうした大人がいることって、何だかとても嬉しい。もちろんそうした背景には「少なくとも安心して食へる」があってこそではあろうけれど・・・。

135 自由の意味 メモ 時期不明

 自由とは「何やってもいい」と解釈されがちだが、本来は「束縛からの解放」と理解すべきものであろう。「好き勝手」とは異なるのである。

136 命の選別  切り抜き 時期不明

 秒読み段階の新型インフルエンザ大流行、巨大地震より恐い「死者200万人」、国民の間で始まる「命の選別」。 ・・・政府は2007年1月、限られた薬やワクチンを誰に優先して接種するか、いくつかのケースを想定し順番を決める指針案を発表、国民の意見を募った。・・・「死者を最小限にする」案なら入院患者らが1位で子供の順位は低いが、「国の将来を守る」案なら子供が1位で高齢者は最後の方になる。また職業では医療従事者(などの)「社会機能維持者」が最初に接種される。一般サラリーマンや主婦は切り捨てられるのである(朝日新聞、前編集長 福田和郎)。

137 国民投票法案 メモ 2007.4.13

 国民投票法案が衆議院の委員会で議決された。与党の自民、公明を除く全部が反対の立場を表明し、委員会はそうした反対委員と怒号中で強行採決された。反対勢力はあたかも、憲法改正の法律が強行されたようにこぞって暴挙だと言う。本当にそうなのだろうか・・・。

138 どうする高齢化社会 メモ 2007.513

 意味は分かるけれど、高齢者を一まとめにしたイタワリだの看護だのを論ずるのはいささか抵抗がある。特に若者が元気に任せて親切心丸出しでやりだすのはもつと気になる。ましてや幼稚園児が声をそろえて「おじいちゃん、おばあちゃん、いつまでも元気でね・・・」と合唱するのは、それが恐らく主催者のやらせや仕掛けだとすぐに分るからもっと嫌である。

139 戦争 メモ 2007.5.2

 こんな言い方は自己矛盾だと知りながらも、「良心の束縛のない戦争」が世の中にはびこってきている。まさにこの世はゲームの世界だ。イラクの米軍の死者は3500人だと聞いた。

140 押し付け  メモ 時期不明

 自分のできなかったことを人に押し付けるのは、卑怯だと思う。

                                  雑記帳始末記(11)へ続きます。


                                     2013.3.5     佐々木利夫


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雑記帳始末記(10)

自作のホームページに雑文を発表してから10年になる。資料として作成したメモや切り抜きなどは発表したつど処分しているが、作品にできなかったものが残ったままになっている。それは作品にするだけの力がなかったことを意味しているのだが、それでも私の感性に訴える何かを含んでいたことだけは事実であろう。このまま朽ちさせてしまうのもどこか忍びないものがあり、処分する前にここへ刻むことにした。