204 神と悪魔 メモ 2007.9.3

 もしかすると、神は神であること、つまり、自己保全のために悪魔を創り出したのではないだろうか。だから神と悪魔は対立存在ではないものになっている。

205 アイヌ民族 メモ 時期不明

 「生活苦によって生活保護を受ける比率は高く、大学進学率も圧倒的に低い。不当な差別を被り格差は残されたままだ」。そこで補償を求める声があがる。「アイヌ民族保護法」。本当にそれでいいのだろうか。貧困であることに対して国や地方が(結局は国民が富の再配分)として支援していくことに異論はない。だが「それ以上に特別の利益を与えること」を認めることが果たしてどこまで妥当なのだろうか。

206 アイヌ新法 メモ 時期不明

 アイヌを保護するようにと北海道が政府へ要望する。「そんなこと誰が考えたって当たり前のことだ」と、アイヌの衣装を着た囲炉裏を前にした男が吐き捨てるように言う。でもその男ではない私は、「私はあんたの言う『誰』ではない。私はそうは思わない」と、ひとり言で呟いてしまった。

207 宗教 メモ 時期不明

 「宗教戦争はいつの時代も同じだ。人間をそそのかして、暴力へとかりたてる。本来、宗教の最も重要な使命は逆で、平安と調和を説くところにあるはずなのだが・・・」(ミラン・リーズル、神とはなにか、P34)。

208 神様 メモ 時期不明

 神様や仏様ってのは、「いるか、いないか」ではなく、「いると考えたほうがすっきりするかしないか」なのかも知れない。

209 風立ちぬ メモ 時期不明

 「風立ちぬ いざ 生きめやも」。これは堀辰雄の小説「風たちぬ」に出てくる文章である。そしてこの言葉が、ポール・ヴアレリーの詩からの引用であることを最近になって知った。

210 その内・・・ メモ 時期不明

 「その内」と「準備してどうする」のはざま。「支度?」、「用意?」・・・「やってどうする」

211 食い違い メモ 時期不明

 知人や友人宅などに行ったとき、相手にもよるけれど、相手の気持ちとこちらの気持ちが一番食い違うことが一つだけある。それは相手からアルバム(写真)を見せられることである。

212 自分 メモ 時期不明

 人はいつか自分を知ることになる。たとえそれが「あぁ・・・、こんなに時間がかかってしまったのか・・・」と思うことだったにしても。

213 思い込み 新聞投書 時期不明

 「・・・すれ違いざま。私をにらみつけていった近所の子どもを軽くたしなめた。その子は他人の家や道路でサッカーをするのを・・・注意したことを根に持っていたのだろう。ところが、すぐにその親が怒鳴り込んできた。『この子はまぶしかっただけだと言っている。子どもは泣いている。謝れ。子どもに謝れ」と身を震わせ言いつのる」(新潟、主婦73歳)。
 「商店街・・・でハトを追う2歳の息子を見ていたら、70歳前後と思われる男性が声をかけてきた。『虐待はいけない』。何を言われたのか分らずにいると、息子の顔のかき傷を指さし、抵抗できない子どもに暴力を振るうのはひどいことだと言う。・・・あせもやそれを引っかいた跡だ、といくら説明しても解放してくれない」(神奈川 33歳)。
 ともに対立する当事者がいる。それぞれのどちらの言い分が正しいのか分らないけれど、前者では「サッカーを注意したことを根に持って」との思い込みがあり、後者には「傷は母親の暴力によるものだ」との思い込みがある。

214 消えてゆく言語 新聞切り抜き 2009.2.25

 「・・・世界には6千前後の言語があるそうだ。国連教育科学文化機関(ユネスコ)が大がかりな調査をしたら、うち約2500語が消滅の危機にさらされていた。199語にいたっては話し手が10人以下に減っていた。まさに風前の灯である。219もの言語が、20世紀の半ば以降に消えている。去年はアラスカ州でイヤック語が、最後の話者が死んで途絶えた。その女性は生前『ひとりぽっちは怖い』と言っていた。・・・一つの言語が生き延びていくには10万人以上の話し手が必要だという。ある一線を割れば坂道を転がるのは、生き物の場合と同じらしい」(朝日新聞、天声人語)。

215 カンブリア大爆発 メモ 時期不明

 カンブリア紀(5億4500万年前から5億500万年までの約4000万年間)に大発生した生物で、現代まで生残っている種は0.1%だという。それにもかかわらず、現代に存在する動物の大グループのほとんどがこの「紀」に出現したのだといわれている。いかにこの「紀」が生物にとっての大爆発だったかを思い知らされる。さて、種が生き残るための有利さはなんだったのだろうか。

216 大学進学率 メモ 2009.7.31

 「大学への進学率は、親の年収1200万円以上の家庭では62%、200万円未満では28%」だそうである(東京大学 大学経営・政策研究センターの調査、朝日新聞)。これについて「大学進学は、その後の賃金や失業のリスクなどに決定的な影響を与える。潜在能力があるのに、親の収入で人生を左右され、格差が親から子に引き継がれるのは、社会全体にとっても損失だ」との意見がある(同紙、千葉大教授)。このコメントは、どこか因果関係が変だ。

217 介護の支え手に障害者を 新聞切り抜きとメモ 2009.7.1

 「・・・障害者は社会的弱者であり、相手の痛みを感じる能力も優れていて、思いやりの深い人が多い。何らかの支援があれば、もっと介護の現場でも活躍できると思う。・・・障害者も立派な介護の支え手として活躍できるように、もっと資格取得の機会や働く場を提供してほしい。現場の職員は・・・障害者の視点から学ぶことも多くあるだろう」(介護の支え手 資格取得や仕事を障害者に 社会福祉士 女性、朝日新聞 私の視点)。
 ◎この意見が分らないではない。でも障害者を健常者と同列のレベルにいる者、更にはより高い能力や理解力を持つ者として評価しようとするのは、言い方としては変だけれどどこか違うのではないだろうか。それを認めてしまったら、健常者と同一レベルで比較して資格取得や採用などを決めてもいいことになってしまうように思えるである。劣る部分があってもそれを認めた上で、障害者として雇用し支援していく手法を考えていくべきではないだろうか。

218 英語 メモ 時期不明

 今の学校の英語ってのは「こっちからどんな風に話しかけるのか」という視点、つまりこちら側の言い方を英語でどう表現すればいいのかに偏重しているではないのか。それよりももっと大事なのは、質問に相手が「何と答えたのかを理解すること」ではないだろうか。


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                                     2013.3.29     佐々木利夫


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雑記帳始末記(16)

自作のホームページに雑文を発表してから10年になる。資料として作成したメモや切り抜きなどは発表したつど処分しているが、作品にできなかったものが残ったままになっている。それは作品にするだけの力がなかったことを意味しているのだが、それでも私の感性に訴える何かを含んでいたことだけは事実であろう。このまま朽ちさせてしまうのもどこか忍びないものがあり、処分する前にここへ刻むことにした。