262 薬剤師 メモ 2012.11.15

 今朝のテレビのニュースである。薬剤師が出張サービスを開めたそうである。そのことにある薬剤師は言う。「目の前で患者の役に立つのを見られるのが嬉しい」。もう一人、薬剤師が作っている業界の役員らしい人が言う。「そうしないと、全国5万店もの業界は生残れない」。私たちは「正直であること」や「本音で話すこと」に無意識に抵抗感を抱いてしまうのだろうか。

263 服従 読書からのメモ 時期不明

 「・・・権威組織にはいった個人は、自分自身の目的のために行動しているのではなく、他人の要望を実行している代理人と見なすようになる。・・・主観的観点から言えば、代理状態とは、個人が自分自身を、より高い地位の人による規制に服さねばならない社会的場面におかれていると見なしている状態である。・・・責任を決定的に免除してくれる者がいると、個人がそう思う傾向はきわめて強く、この移行は気軽に逆転し得ない」(スタンレー・ミルグラム著 服従の心理 岸田秀訳)

264 モラトリアム 書籍コピー 時期不明

 「・・・モラトリアムは『支払猶予期間』のことで、米国の精神分析学者E・H・エリクソンはこの言葉を転用して、青年期を「心理社会的モラトリアムの年代」と定義した。修行中なので、社会の側から義務の遂行を大目にみられる年代、という意味である。このモラトリアム期間は、青年たちが社会的自我=アイデンティティをつちかい、確立するまでの猶予期間とみなされ、そのためのさまざまな社会的実験や遊び、冒険が許容されるようになった」(笹川巌著 怠けものの思想 P149)。

265 お巡りさん メモ 2006.8.10

 体長50センチのトカゲを捕獲するのに20人の警察官・・・。その回りを取り囲む中年のおばはんは「恐い、どうしても捕まえてもらわなければ・・・」とのたもう。そのトカゲは毒もないし人を人を襲うこともないという。ただ、窮鼠猫を咬むとのたとえもあり、切羽詰った状況になれば咬み付くかも・・・、ただそれだけのことである。それを公共サービスとして役場や警察などがやるべきことなのだろうか。人の世はかくも平和になった。

266 アメリカでの生活 メモ 時期不明

 私はアメリカを知らない。友人たちの中には西海岸だの東海岸だの、果ては野球のイチロー選手の試合を見に海外まで追っかけたなどと豪語する者もいるけれど、私はまだ日本を出たことがない。海外にそれほど魅力を感じないこともあり、恐らくこれからも出たいと思うことはないだろう。だからこれから引用する話への意見はアメリカを知らない偏屈男の独断である。最近江戸っ子芸者としていくつかの著作で有名になった中村善香のエッセイ集、「しつけのない国しつけのできない人びと」を読んだ。その中にこんな一節があった。
 「アメリカでの生活を書きます。私はアメリカという国を、たいそう住みよいところだと思っています。人間がみんな本音だけで生きていて、自然のまま、ありのままに自分でいられる。そして国も市も、そこで暮らす人々を、いかに幸せにするかということを、最優先に考えてくれる。だから私はニューヨークでの生活を選んだのです」(同書P82)。著者がそう思っているというのだから、そのことをとやかく言うことではない。だが彼女は、「ニューヨークの中心部にあるマンハッタンから地下鉄で15分ほどの買い切りマンション」に住んでいるのである。その部屋は20畳間二つ、10畳のダイニングに広々したバスルームもあり、なんたることか隣の部屋が空いていたので仕事用としてそこも買ったというのである。この本の発行は1998年4月だし、この文章を書いたのはもっと旧いだろう。そんな贅沢とも言える生活の中から感じたという「アメリカでの生活」論など、にわかには一般論として信じられない。

267 バントの多い高校野球 メモ 時期不明

 高校野球見た。精神性があまりにも強く求められる野球は神がかりなのだろうか。日本人は高校野球に何を求めているのだろうか。甲子園球場のグラウンドの土の持ち帰りは、補充しても補充しても足りなくなるそうである。そうした一方でバントがやたら多いような気がする。勝つことへのこだわりと、砂の持ち帰りとがどうもうまくかみ合わない。

268 勝つこと負けること メモ 2006.8.7

 長い間続いたNHKの番組「プロジェクト]」に代わって、「プロフェッショナル」が登場した。これまた一種のサクセスストーリーである。「負ける口惜しさ」と「勝った喜び」の絶対値は違っているのだろうか。

269 三月 メモ 時期不明

 あなたの歩き方を真似ようとは思わない。三月は人恋しさを越えていく。
 人恋しさの消えぬ三月。名残りの雪、舌先で追いかけてみる。

270 負けたときの涙 メモ 時期不明

 人はそれなり泣くだろう。嬉しかったり、感動したり、報われたり・・・。たが口惜し涙とはまったく別物なのではないだろうか。そして私は思ったのである。口惜し涙、負けたときに流す涙こそが人を強くするのではないかと・・・。

271 大野九郎兵衛 メモ 時期不明

 赤穂の家老は4人、世襲の家老は大石内蔵助一人のみで1500石。一代家老として江戸家老・安井彦右衛門、国家老・藤井又左衛門、城代家老・大野九郎兵衛。いずれも650石。大野九郎兵衛は大石より年長だったと伝えられている。
 大野九郎兵衛は浅野内匠頭の祖父が赤字にしてしまった藩財政の建て直しのために起用された。赤穂塩の塩田開発は大野の功績によるところが大きい。
 大野は恭順開城を唱えた。全体意見はそうならなかった。藩財政の整理→藩札への対応、貸付金の回収、藩士への分配など彼の功績によるところが大きい。
 大野九郎兵衛の墓〜山形の板谷峠、福島の庭坂峠、群馬の安中、山梨の甲府。
 伴閑精と名乗り、京都の仁和寺の近くに住んでいたと言われている。元禄15年4月6日没、61歳くらい。
 討ち入りした者を義士、しなかった者を不忠者とするのは、結果論からの評価でしかない。良いことはすべて大石内蔵助に、悪いことはすべて大野九郎兵衛に、こうしたことを背景に物語りは作られてきた。

272 アマリア・ロドリゲス メモ 時期不明

 他人から老いぼれと呼ばれてもいいような歳になっても、なかなかどうして他人に自慢できるようなものなどどこを探しても見当たらない。そんな中で、もうプレーヤーもアンプも捨ててしまったのに書棚の中から旧いレコードが見つかった。クラシックのLP数枚の中に何とEPレコードが混じっているではないか。その中にこの曲があった。独身の頃に聴いた懐かしい曲、「暗いはしけ」である。ファド(ポルトガル語で運命という意味だそうである)の女王と言われた彼女の切々たる歌声が、私の手持ちの装置では聴くことのできないそのレコードから、静かに鳴り響いてくる。

273 分ってもらえない メモ 時期不明

 不登校の中学生が自宅に放火して、赤ん坊が死んだ。したり顔の識者がテレビカメラに向かって言う。不登校の生徒はいつも「分かってもらいたい」と思っている。それなのに、「学校へ行け、頑張れ、などと押し付けられている」・・・と。それはいい。ならば「分る」とは何なのだろうか。

274 作られる高校野球 メモ 時期不明

 全国から野球のための優秀な学生を集める募集システム、全員丸坊主。学校はスポーツ以外に何を求めているのだろうか。

275 食玩 メモ 2006.4.25

 食玩とはキャラメルなどの箱入り菓子についているおまけのおもちゃのことらしい。私たちの世代でも小さい頃はポピュラーだった。グリコのおまけが大人も含めて大人気だそうで、多くの商品にこんな商法が波及しているそうである。そう言えば、中に入っているカードだけを集めて菓子は捨ててしまう子の映像をみたことがある。


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                                     2013.4.11     佐々木利夫


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雑記帳始末記(21)

自作のホームページに雑文を発表してから10年になる。資料として作成したメモや切り抜きなどは発表したつど処分しているが、作品にできなかったものが残ったままになっている。それは作品にするだけの力がなかったことを意味しているのだが、それでも私の感性に訴える何かを含んでいたことだけは事実であろう。このまま朽ちさせてしまうのもどこか忍びないものがあり、処分する前にここへ刻むことにした。