どこか変だなと感じること(平成15年)

 人はそれぞれ自分を常識人だと思っているから、社会的にも、また自分にとっても、いままで当たり前と考えていたことが、ちょっとした機会に「どこか違うんじゃないか」などと感ずることがあると、なんとなく常識の世界から疎外されてしまったようで不安になる。
 もしかするとそれは老い行く者の気後れか、それとも偏屈なのかも知れないけれど、気になりだすとなかなかそこから抜け出すことが難しくなる。
 そんな気持ちの整理のためにも、こうして書き留めておくことは一つの区切りになるし、そうすることによってそのこだわりに、終止符というのではないけれど、とりあえず棚の隅に押しこめたという意味で、錯覚なのかも知れないけれどたまさかの解放感を味わうことができるというものである。

平成15(2003)年 発表作品
ドーテの最後の授業 姦 通 罪
朝三暮四 ベニスの商人
三方一両損 100人の村
サクセスストーリー 子供と付合う
戦争と平和と 10 優しさは無責任
11 法律を守ること 12 煮詰まる